かつて、カラマツの根元で何度か見かけたことのあるきのこ
これまで、学名はPulveroboletus lignicolaで、キイロイグチ属に所属するきのこだった。日本からは未報告の種。
Index Fungorumでその学名を検索すると 、現在はBuchwaldoboletus lignicola (Kallenb.) Pilátとなっていて所属が変っている。Buchwaldoboletusとは何属だろうと調べてみると
BuchwaldoboletusのType speciesはBuchwaldoboletus lignicolaになっている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Buchwaldoboletus
つまりは
日本から未報告なので、Buchwaldoboletusの属名(和名)がまだ無いといったところか・・・
愛媛フォーレでオオキイロイグチ(青木仮称)Buchwaldoboletus sphaerocephalusが採集されたことがある。そのときにオオキイロイグチは時々散見されているのに、これだけ目立つきのこがまだ未報告と言う話を聞いた。そのきのこと同じ属にしては大きさやカサ表面の感じが随分と違い、「同属なんだ・・・へぇ~」と言う感じ。
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4月1日 追加記載
このキノコはかさ表面が柔らかなフェルト状で触ると指紋の痕まで付き、印象のあるキノコです。
そんなんで、フワフワイグチと勝手に自分で名前をつけ、標本を取っていました。
その標本から、胞子を見てみました。
追加画像
(青変性の程度)
二ヴァリスさん、こんばんは。
返信削除胞子は見られましたか。
lignicolaの胞子は細長いですが、私は一昨年埼玉県だったと思いますが、同じようなキノコ(松の切株の根元から束生して出るイグチ)を送っていただきました。胞子は太くて短く卵型で、pseudolignicolaかxylophilusだと思っているのですが、pseudolignicolaの著者の根田さんにフォーレで写真を見てもらいましたが、どちらか、結論が出ていません。
Mushyさん こんにちは
返信削除コメントありがとうございます。
>胞子は見られましたか。
乾燥標本があるので、少し久しぶりに顕微鏡を覗いて見ました。
コメント欄だと画像を投稿できないので、胞子写真は親記事の方に追記として掲載しますね。
>pseudolignicolaかxylophilusだと思っているのですが、
pseudolignicolaやxylophilusと言う種もあるのですね。B.pseudolignicolaは検索すると写真を見ることが出来ましたが、見た感じは子実体全体の色がB.lignicolaよりも薄い感じですね。1987年に根田さんが報告し、その後Har.高橋さんが追加記載されているようで、あらためて日本からBuchwaldoboletus属種が報告されていることを知りました。ありがとうございます。
B.xylophilusの方は写真を見ることが出来ないかWEB上を探してみましたが、見つけることが出来ませんでした。けれど、青木図版No1617のコツブノイロガワリPulberoboletus xylophilusがありましたので見てみました。イグチでこんな丸っこい胞子があるのか…と、これまた「へぇ~」でした。
>どちらか、結論が出ていません。
どちらか決着付くと良いですね!
胞子の写真載せていただき、ありがとうございます。lignicolaに間違いないようですね。
返信削除長野県の亜高山帯の枯れたカラマツの根元に出るものも北海道のものと同じくlignicolaかも知れませんね。日本きのこ図版にxylophilusが載っているのは気が付きませんでした。お恥ずかしい。幼菌会2010年末のスライド会で発表したスライドをメールでお送りします。
Muchyさん、ファイルをありがとうございます。
返信削除拝見いたしました。
xylophilusはlignicolaと非常に似ているのですね。
xylophilusは広葉樹のようですが
疑問種は
見た目がxylophilusのような気もしますし
図版1617ではアカマツに発生なので、xylophilusもマツに発生か?と疑問点も出てきたり、難しいですね。
ファイルにありましたオオキイロイグチの写真を拝見して
愛媛でオオキイロイグチを見たときの印象と違っていて、ああ…やはりBuchwaldoboletusなんだなぁって思いました。
貴重な資料を見せて頂き、ありがとうございます。