前に掲載したことのあるT6には縁取りがあるように見え、T6はキタカタチャシミツエタケではないのだろう・・・と片付けていた。
ヒダの縁取りがないということは、縁シスチジアが無色ということだと思う。では上の写真の縁シスチジアは色があるのだろうかと、もう一度見直してみた。ところが乾燥標本から作った切片の縁シスチジア(及び側シスチジア)は、もろい性質なのか形を現存していなかった(かけらだけではなく何枚か作った切片からも見つけられなかった)。
下の写真は12月初め頃にヒダ縁のかけらを撮っていた
縁シスチジアは、フロキシンに染まっているけど、茶褐色の色合いではない。キタカタチャシミツエタケの本文に、『ヒダ縁は不稔で、茶色に着色された不定形物が埋まりKOHで膨張しない』と書かれている。これって、まさしく上の写真の状態を指しているのではないか・・・この茶色に着色された不定形物で縁取りがあるように見えるのは縁取りと言わないのだろうか? キタカタチャシミツエタケの胞子は微細な細点状。
倍率を変え、撮影。
〈追記1/21>
輪郭の線を単純に見ると、胞子の表面は粗面のように見える。
しかし画像を原寸大で見ると、輪郭の線のすぐ外側に薄いガラス質のような膜があるのが見える。
別画像を見ると、深度の違う胞子があり、その表面は細点状となっている。
キタカタチャシミツエタケではないのか、と思いつつも結論はやはり出せそうにない。