2013年11月12日火曜日

日本きのこ図版のツエタケ

上は日本きのこ図版No176のツエタケ。縁シスチジアのB型の尖った形に疑問はあるものの、レモン型からアーモンド形の胞子、2胞子性、Pileal Hairsがあることからフタツミオキナツエタケではないかと思われる。

 下のNo1520~1522は胞子の大きさやシスチジアの形状からオキナツエタケじゃないかと思われる。けれど、国内で報告されているウスゲツエタケ節(Pileal Hairsがある)は4種のみで、他に未報告が十数種あるので、もしかしたら該当種が他にあるかもしれない。



 日本きのこ図版のように詳細な記録であれば、種までたどり着ける可能性が高い。
しかし、国内の図鑑類は縁シスチジアや側シスチジア或いは傘表皮について詳細な記録がない。

日本新菌類図鑑Ⅰ p98より抜粋
「傘は径4~10cm,開けばほとんど平となるが中央部は山形に突出する。表面は淡褐色~淡灰褐色で著しいしわがあり、湿っているとき強い粘性をあらわす。(中略)胞子は広楕円形。14.5~19×9.5~14μm。担子器は(まれに1)胞子、44~57×11~13μm。夏~秋,広葉および針葉樹林、竹林などの地上、ときに腐朽木上に生える。(後略)」

文字数の制約というより
シスチジア等の形状が外国の文献記載と合わず記載されなかったのではないだろうか。
2006年以前はツエタケひとくくりにされていたので仕方がなかったとはいえ
う~む・・・って感じ。

2013年11月10日日曜日

11月の羊蹄山

昨日は、久々に羊蹄山麓へ行ってきた。
 上の写真は帰り道に撮ったもので、朝のうちに撮れば良かったとチョット後悔の羊蹄山画像。朝は手前の木々に雪が降り積もり澄んだ青空がとっても綺麗だった。アイスバーン走行中では急に曲がることもできず、「まっ帰りに撮れば良いか」とそのビューポイント(中山峠)を通り過ぎた。
 先週の休みは土砂降りの雨で止むなく羊蹄山麓行きを中止した。それで昨日、雪の予報だったけれど今年見届けるものを見届けなきゃ・・・と出かけた。羊蹄山麓では思っていたよりも降雪があった。


 松林の中は、木々に遮られて積雪はなかったが、目的のダイダイフチドリクヌギタケは遅かったのか見つけることが出来なかった。それでも「今年は見つけられなかった」そんな結果がハッキリしたので無駄足ではないと思っている。羊蹄山麓では今日も明日も明後日も雪マーク、たぶん今頃はもっと雪が積もり銀世界になっているのだろう。

さて、明日は私の住むあたりも雪予報。
いよいよ冬到来、きのこシーズンも今期終了 。

冬場の課題は
やりかけているツエタケについて、これまで図鑑類や資料に載っているツエタケは何ツエタケをもってツエタケとしていたのであろうか・・・。日本新菌類図鑑で胞子は広楕円形と記載されているがシスチジアの形状が記載されていない。もしかしたらブナノモリツエタケをもってツエタケとしていたのではないだろうか、そんな疑問もあったりして、これまでツエタケとされてきたのは何ツエタケ?と、この数ヶ月フツフツと思ってきた。そのことが少しでも分かれば良いなぁ・・・とやってみようかと思っている。