フウセンタケ属の胞子について、Kさんからアドバイスをいただいた。
(Kさん、ありがとうございます)
アドバイス頂いたことを復習がてらメモ。
■先日掲載したムラサキシメジモドキの胞子写真は、正面観で本来の形状を捉えていない
■側面観で本来の形状を捉えるが、側面観でも傾いている場合は正しい形状と言えない
■軸を対照に同型ではない(向軸側と離軸側がある )ので、正面観の胞子を計測するとQ比に誤差が出る
■胞子の計測は嘴状突起が左か右に見えること
先日掲載の写真は正面観から楕円形に見えた胞子も計測したので、再度胞子写真の撮り直しと計測をし直した。
上の画像から正しい形状を捉えているのは、3個程度。
フウセンタケ属に特に興味を持っているわけではないとはいえ
フウセンタケ属の胞子を撮る機会は今後もあるわけで 、やはりきちんと写し方・計測の仕方など
わかっていたほうが良い。そんなわけで、今後はちゃんと正しい形状を捉えられるフウセンタケの胞子画像を撮りたいと勉強になった。
2012年10月29日月曜日
2012年10月25日木曜日
ムラサキシメジモドキ
ムラサキシメジによく似たフウセンタケ科のきのこ。
ムラサキシメジモドキの学名はCortinarius caerulescens (Schaeff.) Fr.
この学名でネット検索すると、柄の白いものが出てきて、自分の思い込み違いだろうかと自信がなくなってしまう。
スイスの菌類図鑑を見ると、柄の色はgray-violetとあるので、やっぱり良いんだよねと記載の胞子のサイズを見てみると8.8-11.5×5.3-6.5μm。胞子サイズはQ比が若干違うかもと思いつつほぼ一致していると見て良いんじゃないかと思う。
このきのこの学名をMycobankでチェックすると、
MycoBank's opinionに This name is a synonym of Agaricus violaceus Batsch 1783とある。1700年代の頃は傘と柄のあるきのこは殆どがAgaricusで、その当時その属名がついていても何の不思議にも思わない。けれど、Agaricus caerulescensあるいは Agaricus violaceusがCortinarius caerulescensのシノニムならわかるのだけど、なんでCortinarius caerulescensがAgaricus violaceus のシノニムなんだろう?私にはよくわからない。
学名チェックは Index Fungorumの方が分かりやすいよなぁ・・・と思う。
ムラサキシメジモドキの学名はCortinarius caerulescens (Schaeff.) Fr.
この学名でネット検索すると、柄の白いものが出てきて、自分の思い込み違いだろうかと自信がなくなってしまう。
スイスの菌類図鑑を見ると、柄の色はgray-violetとあるので、やっぱり良いんだよねと記載の胞子のサイズを見てみると8.8-11.5×5.3-6.5μm。胞子サイズはQ比が若干違うかもと思いつつほぼ一致していると見て良いんじゃないかと思う。
このきのこの学名をMycobankでチェックすると、
MycoBank's opinionに This name is a synonym of Agaricus violaceus Batsch 1783とある。1700年代の頃は傘と柄のあるきのこは殆どがAgaricusで、その当時その属名がついていても何の不思議にも思わない。けれど、Agaricus caerulescensあるいは Agaricus violaceusがCortinarius caerulescensのシノニムならわかるのだけど、なんでCortinarius caerulescensがAgaricus violaceus のシノニムなんだろう?私にはよくわからない。
学名チェックは Index Fungorumの方が分かりやすいよなぁ・・・と思う。
2012年10月24日水曜日
ケコガサタケ
今年も探していたきのこに出会えなかった。秋になりフィールドに出るたび「黒または灰色・小さい」をインプットし足元をジックリ探してきたのだけれど・・・。
その小さいきのこを見ようとして時々見かけながら見かけるだけに終わっていたGalerinaを採取してきた(22日)。
小さいきのこは採集用の紙袋に入れると家に帰る頃にはすっかりヘタってしまい、案の定採集したGalerinaもヘタっていた。(アルミホイルを持っていたので、アルミホイルに包めば良かった)
普段胞子の写真を撮るときは、胞子紋を取る要領でカバーグラスに胞子を落としている。けれど、半ば乾燥してしまったものでは胞子を取ることもできず、胞子は組織と一緒に観ることにした。
ふむ、2胞子性なんだと思い、縁シスチジアの形状(側も同形)から種名を追ってスイスの菌類図鑑を見てみるとGalerina vittiformis var. pachyspora Sm. & Sing.に落ちる。きっと傘表皮や柄シスチジアも見たほうが良いと思いつつ、見るまでもなくこの種と行き当たったので省略。
日本新菌類図鑑をみると、4胞子型も2胞子型もケコガサタケになっていて、「日本では2胞子型が多いようである。」と記載されている。
上の写真のものは、日本で一般に見るケコガサタケなんだろう。
外国ではいくつかの変種に分けているようで、ケコガサタケは厳密にはGalerina vittiformis (Fr.) Singerを指している。Galerina vittiformis var. pachyspora Sm. & Sing.もケコガサタケで本当に良いのかな?と、ふと思った。
その小さいきのこを見ようとして時々見かけながら見かけるだけに終わっていたGalerinaを採取してきた(22日)。
小さいきのこは採集用の紙袋に入れると家に帰る頃にはすっかりヘタってしまい、案の定採集したGalerinaもヘタっていた。(アルミホイルを持っていたので、アルミホイルに包めば良かった)
普段胞子の写真を撮るときは、胞子紋を取る要領でカバーグラスに胞子を落としている。けれど、半ば乾燥してしまったものでは胞子を取ることもできず、胞子は組織と一緒に観ることにした。
ふむ、2胞子性なんだと思い、縁シスチジアの形状(側も同形)から種名を追ってスイスの菌類図鑑を見てみるとGalerina vittiformis var. pachyspora Sm. & Sing.に落ちる。きっと傘表皮や柄シスチジアも見たほうが良いと思いつつ、見るまでもなくこの種と行き当たったので省略。
日本新菌類図鑑をみると、4胞子型も2胞子型もケコガサタケになっていて、「日本では2胞子型が多いようである。」と記載されている。
上の写真のものは、日本で一般に見るケコガサタケなんだろう。
外国ではいくつかの変種に分けているようで、ケコガサタケは厳密にはGalerina vittiformis (Fr.) Singerを指している。Galerina vittiformis var. pachyspora Sm. & Sing.もケコガサタケで本当に良いのかな?と、ふと思った。
2012年10月15日月曜日
今年の秋は
我が家の近くには防風林があって、10月も中旬になると背丈以上に伸びた下草が枯れ、随分と歩きやすくなるはずが、まだ下草ぼうぼうで一部しか入ることが出来ない。早い年だと10月17日に初雪の降った年もあったけれど、今年の初雪はいつになるだろう。1ヶ月前の9月中旬は30度の真夏日が何日かあり、その後一気に涼しく(寒く)なり秋突入。もしかしたら冬も一気にやってくるのかもしれない。防風林に足を踏み入れるとアカチシオタケがあちこちに出ていて草ぼうぼうとは言えいよいよ晩秋きのこ突入を感じた。
防風林に入っていくと、今年はやたらとアミヒラタケが目に付き、かつて良い状態のものがなかなか見つけられなかったのが嘘のよう。
写真の木はハルニレ。
ヨーロッパでアミヒラタケはニレ科の木を枯らす重要病害菌として扱われているらしい。写真のアミヒラタケの下にも子実体は発生していて、こちらは30cmを超す大きさ。
アミヒラタケのとり憑かれた木を見上げると樹勢は弱く、たぶん来年は枯れてしまいそう。枯れてもなおとり憑かれ ているハルニレもあった。
町内の公園に行くと柳の木にとり憑くアミヒラタケがあった。
こちらは高い場所にあって、下からしか撮ることができなかった。
これも30cmを超す大きさ。いくつか子実体が発生していたので、この柳の木も枯れてしまうのだろう。私はやっとアミヒラタケの写真を撮ることができたと内心嬉しいのだけど、今年の発生はちょっと異常のようにも思える。
ナラタケがこれほど発生している年はないくらいにいたるところで爆発している。
ナラタケ採り好きの人は、嬉しい悲鳴を上げているかもしれない。
私も嬉しいことがあった。私には出会えないと思っていたきのこに出会えた。
見かけている人には珍しいキノコでも何でもないのかもしれない。図鑑でこのきのこを見たとき私には出会えないと、なぜか思ってしまっていた。なぜ、出会えないと思っていたのだろう・・・?
防風林に入っていくと、今年はやたらとアミヒラタケが目に付き、かつて良い状態のものがなかなか見つけられなかったのが嘘のよう。
写真の木はハルニレ。
ヨーロッパでアミヒラタケはニレ科の木を枯らす重要病害菌として扱われているらしい。写真のアミヒラタケの下にも子実体は発生していて、こちらは30cmを超す大きさ。
アミヒラタケのとり憑かれた木を見上げると樹勢は弱く、たぶん来年は枯れてしまいそう。枯れてもなおとり憑かれ ているハルニレもあった。
町内の公園に行くと柳の木にとり憑くアミヒラタケがあった。
こちらは高い場所にあって、下からしか撮ることができなかった。
これも30cmを超す大きさ。いくつか子実体が発生していたので、この柳の木も枯れてしまうのだろう。私はやっとアミヒラタケの写真を撮ることができたと内心嬉しいのだけど、今年の発生はちょっと異常のようにも思える。
ナラタケがこれほど発生している年はないくらいにいたるところで爆発している。
ナラタケ採り好きの人は、嬉しい悲鳴を上げているかもしれない。
私も嬉しいことがあった。私には出会えないと思っていたきのこに出会えた。
見かけている人には珍しいキノコでも何でもないのかもしれない。図鑑でこのきのこを見たとき私には出会えないと、なぜか思ってしまっていた。なぜ、出会えないと思っていたのだろう・・・?
2012年10月3日水曜日
Xerula sp (4)
下の画像のきのこも、30日に貰ってきたツエタケ(2本)。
写真はその日のうちに撮った。1個半は乾燥標本にした。残りで検鏡してみた。残っていた子実体は傷みかけ良い状態ではなく、2胞子性なのか4胞子性なのか担子柄が殆ど見ることができず、乾燥したものから見ると辛うじて2胞子と4胞子が混在しているほぼ4胞子性(まれに2胞子)が確認できた(写真は撮っていない)。
写真はその日のうちに撮った。1個半は乾燥標本にした。残りで検鏡してみた。残っていた子実体は傷みかけ良い状態ではなく、2胞子性なのか4胞子性なのか担子柄が殆ど見ることができず、乾燥したものから見ると辛うじて
担子胞子
傘シスチジア
縁シスチジア
側シスチジア
ツエタケとひとくくりにできないほど胞子の形状もシスチジアの形状もこんなに違うんだ・・・。
2012年10月1日月曜日
Xerula sp (3)
昨日、ちょっとした集まりがあり
そこで参加者が採取してきたきのこの中にツエタケがり、そのツエタケを貰ってきた。
たぶん、数日前私が砂川で見たものと同じだろうと思った。
胞子を見てみると丸っこいのでヤハリねと思った。
けれど組織を見てみると、こちらのツエタケは2胞子性。組織をバラしたのでちょっと汚い画像になってしまった。
砂川でみたツエタケの胞子は4胞子性。へぇ~・・・違っていたんだ・・・と少しショック。子実体の写真を見比べると傘中心部が違うみたい。ひとつひとつ記録を作成し比較すると違いが見えてくるのだと思う。しかし、違いが見えたとて、「どれがどの種」と種名にたどり着けない可能性甚大。たぶん(私には)迷宮の世界なんだろうな・・・う~ん。
そこで参加者が採取してきたきのこの中にツエタケがり、そのツエタケを貰ってきた。
たぶん、数日前私が砂川で見たものと同じだろうと思った。
胞子を見てみると丸っこいのでヤハリねと思った。
けれど組織を見てみると、こちらのツエタケは2胞子性。組織をバラしたのでちょっと汚い画像になってしまった。
砂川でみたツエタケの胞子は4胞子性。へぇ~・・・違っていたんだ・・・と少しショック。子実体の写真を見比べると傘中心部が違うみたい。ひとつひとつ記録を作成し比較すると違いが見えてくるのだと思う。しかし、違いが見えたとて、「どれがどの種」と種名にたどり着けない可能性甚大。たぶん(私には)迷宮の世界なんだろうな・・・う~ん。
縁シスチジア
側シスチジア
傘シスチジア
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