2013年7月30日火曜日

ツエタケ属

ツエタケ属はHymenopellis に変わったんだ・・・と思っていたら
MycobankもIndexFungorumもXerula になっている。
 R.H. Petersenさんの文献では
 Hymenopellisはツエタケ属でXerulaはビロードツエタケ属としているけれど
標準ではないということ・・・なのかな。

その辺も、9月に開催される広島フォーレで長沢先生の講演で 聞けるだろうか。

昨日やっと飛行機の手配を済ませた。
しかし広島まで行っても、宿泊先である「もみのき荘」までたどり着けるんだろうか・・・
( 「もみのき森林公園」あるいは「もみのき荘」まで公共の乗り物はないので「もみのき荘」から吉和SAまで迎えに来てもらう予約をしなければならないらしい。)
自分のような遠くからの参加者にとっては、かなり心配・・・。

2013年7月19日金曜日

胞子写真



これは先日のフタツミオキナツエタケで、その時に計測に使った撮った写真(一部)で使用対物レンズは40倍。見やすいようにグレースケールにしている。
計測が50個だったことや、大きな胞子を見落としているかもと、
今回、別なカバーガラスに取っていた胞子を撮り直しをした。


今回、もう少し高倍率で撮ってみた。
下の2枚は同じ写真のサイズを変えている。
前回の時には,胞子の表面がどうもザラザラしているような感じで、計測時にはザラついた線が外郭だろうと疑わず計測した。
しかし、今回写真を取り直しよくよく見ると、ザラついた外郭から更に外側に薄い膜のようなものが見える。昨年も別なツエタケで見た薄膜と同じものだ。
昨年採取したT6の胞子写真
 干渉縞の可能性もあるかな?
いや・・・やっぱり薄い膜だよね・・・ と悩みどころ。
この薄膜を、計測に入れるか入れないかで若干のサイズが変わってくるだろうし・・・。

2013年7月15日月曜日

フタツミオキナツエタケ

先日11日、野幌のアカエゾマツ林で今年初のツエタケ(1本)に出会った。
ごく普通に見かけるツエタケ。
傘を見たところで、何ツエタケなのか全く見当がつかない。
やっぱ、検鏡だよねぇ・・・と採取してきた。




担子器は2胞子性、胞子はレモン形、側シスチジアは小頭のある紡錘形、ここまで見ると
フタツミオキナツエタケかもしれない、と
Pileipellis elementを見てみた。サイズはまだ資料を見て確認していないけれど Pileal Hairsがあるので、たぶんフタツミオキナツエタケだろうと思う。

胞子  (13.8)14.4-16.0(16.7)×(8.9)9.5-10.2(10.8)μm n=50
          (14.2)15.3-16.9(18.3)×(10.0)10.7-11.7(13.0) n=100
担子器 37.1-54.1×10.3-13.8μm n=20
縁シスチジア 17.7- 79.8× 10.0-26.3μm n=27
側シスチジア 74.0-122.3×24.3-36.9μm n=23

2013年7月7日日曜日

キヒダサカズキタケ(池田仮称)②


北陸のきのこ図鑑に傘表面は「表面粘性なく黄色地に暗オリーブ褐色の繊維状鱗片に覆われ、成熟につれ放射状に鱗片開裂して地肌を表し黄色っぽくなる」とあり、記載に合致しているように思う。けれど柄については「表面は淡い肌色地に暗色の繊維状条線覆い下方ほど密。」、本菌の柄に条線があるように見えない。

子実層の周りには細い菌糸が突出し
この細い菌糸群が場所によっては厚くなっている。

傘シスチジアは多くなく、パラパラといくつか散見される。



胞子については「類球形~短卵形、6~7.5(~8.5) ×4~5(~6)μm」、担子器については「2胞子性で1胞子性も混在。」。
う~む・・・胞子の形状は類球形~短卵形のみではない。
それと2胞子の担子器もあるのだけど、4胞子性のほうが断然多い。
 もしかしたら担子器と胞子は大小2型の可能性はないのかな?という印象を持った。
なんとか担子器を明瞭に撮りたいといくつも切片を作り直し組織をバラしてみたりしたのだけど、うまく担子器の全容を掴むことが出来なかった。

針葉樹林に発生していることや、柄の表面に条線が確認できないこと、 殆ど4胞子性であることから、本菌は北陸きのこ図鑑のキヒダサカズキタケ(池田仮称)と同種であるとは言えない。

また
キヒダサカズキタケ Hydropus aurarius
2002年に Har.Takah.さんによって新種記載されている。
和名に規約がないとは言え、北陸きのこ図鑑は キヒダサカズキタケの仮称を用いるべきではなかった・・・と思う。

2013年7月6日土曜日

キヒダサカズキタケ(池田仮称)

支笏湖周辺のとあるアカエゾマツ林で1本だけ出ているのを見つけた。たぶん北陸のきのこ図鑑に掲載されているキヒダサカズキタケじゃないかと思う。けれど傘径4.2cm 、図鑑には1~2.5cmとあり、広葉樹朽木上とある。これがキヒダサカズキタケなら、針葉樹朽木上にも発生・・・ということになる。

2013年7月5日金曜日

何科のきのこ?→(追記)Marasmiaceae

下の写真はアカエゾマツの腐朽木から発生していた。パッと見たとき、Mycenaだろうと思った。
ところが、老成したものを手にとって見るとヒダが淡褐色に変色している。子実体によっては若干の薄い縁取りも見られる。
 縁にはたくさんのシスチジアがあるみたいだ(未検鏡)。


柄の表面を顕微鏡で覗いてみると シスチジアがいっぱい。
 傘表皮を覗いてみると、ん?、傘シスチジアがある。

 胞子紋は白色~薄いクリーム色
 
全然わからない。 


---------------------追記---------------
縁シスチジアと担子器
側シスチジアは見当たらない

それと胞子はアミロイド
胞子サイズは、(4.7)5.3-6.6(8.2)×(3.2)3.7-4.4(5.0)μm。Q:1.2-1.8 n=100

----------------追記7/6---------
たぶんHydropus marginellusだと思う。http://mycofme.free.fr/photos/hydropus_marginellus.php
http://www.pharmanatur.com/Mycologie/Hydropus%20marginellus.htm 
http://www.mycobiology.or.kr/search.php?where=aview&id=10.4489/MYCO.2005.33.4.182&code=0184MB&vmode=PUBREADER#!po=8.33333
Hydropusって何属?、と調べてみると、ホウライタケ科ニセアシナガタケ属となっている。

和名はハイチャヒダサカズキタケ


どっち?

足元の小さなきのこを見て
ああ・・・これハリガネ何とかというきのこだよね・・・と
今まで写真撮ったことないし、一応撮っておこうと写真を撮った。
家に帰ってきてから、図鑑(日本新菌類図鑑)を見てみると・・・ん?・・・ない。
(思い込みというか・・・私の記憶なんていい加減なもんだ)

スイスの菌類図鑑をみて 、Marasmius bulliardii ? それともMarasmius rotula ?
針葉樹林なので M. bulliardiiかな?
 Marasmius rotulaはシロヒメホウライタケと和名があって
検索してみると、なんか違う。
やっぱM. bulliardiiっぽい。

子実体は採取しなかったので、調べようがないんだけど
あったとしても、検鏡したところで結果からは私に区別が付きそうにない。
せっかく可愛らしく撮れたのになぁ。