2013年7月7日日曜日

キヒダサカズキタケ(池田仮称)②


北陸のきのこ図鑑に傘表面は「表面粘性なく黄色地に暗オリーブ褐色の繊維状鱗片に覆われ、成熟につれ放射状に鱗片開裂して地肌を表し黄色っぽくなる」とあり、記載に合致しているように思う。けれど柄については「表面は淡い肌色地に暗色の繊維状条線覆い下方ほど密。」、本菌の柄に条線があるように見えない。

子実層の周りには細い菌糸が突出し
この細い菌糸群が場所によっては厚くなっている。

傘シスチジアは多くなく、パラパラといくつか散見される。



胞子については「類球形~短卵形、6~7.5(~8.5) ×4~5(~6)μm」、担子器については「2胞子性で1胞子性も混在。」。
う~む・・・胞子の形状は類球形~短卵形のみではない。
それと2胞子の担子器もあるのだけど、4胞子性のほうが断然多い。
 もしかしたら担子器と胞子は大小2型の可能性はないのかな?という印象を持った。
なんとか担子器を明瞭に撮りたいといくつも切片を作り直し組織をバラしてみたりしたのだけど、うまく担子器の全容を掴むことが出来なかった。

針葉樹林に発生していることや、柄の表面に条線が確認できないこと、 殆ど4胞子性であることから、本菌は北陸きのこ図鑑のキヒダサカズキタケ(池田仮称)と同種であるとは言えない。

また
キヒダサカズキタケ Hydropus aurarius
2002年に Har.Takah.さんによって新種記載されている。
和名に規約がないとは言え、北陸きのこ図鑑は キヒダサカズキタケの仮称を用いるべきではなかった・・・と思う。

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