2012年9月29日土曜日

Xerula sp (2)

メインのパソコンは、USBデバイスが認識できないとかで何だかおかしい・・・。
古い方のパソコンで画像をいったん取り込み、CDに入れメインパソコンに取り込もうとしたら
メインパソコンはCDもUSBメモリも開くことができない。
う~む?

きょうは、普段よく見ているツエタケを採取してきた。
こちらの胞子は
顕微鏡を覗くと、こんなに胞子の形が違うんだ・・・と驚いた。
昨日のツエタケの胞子は・・・とさがすと、間違ってフォーマットしちゃったみたいで
既に乾燥標本となってしまった標本から、組織にくっついていた胞子を先ほど撮った。
前々に、ツエタケはシスチジアの形状が違い、少なくとも十数種類はあると聞いたことがあった。そして本当のツエタケは見つからないことも聞いたことがあったけど、胞子もこんなに違うんだね。
ツエタケは、形態・胞子・シスチジア(縁・側・傘)をそれぞれ記録しておかなくっちゃ、パッと見で「ツエタケ」にしちゃいかんのだな~・・・と思った。

Xerula sp

ツエタケ属には何種類かあって、どれがどのツエタケなのかわからないので
これまで、ツエタケを見かけることがあっても、写真を撮ることは殆どなかった。
きょう(昨日)出会ったツエタケは、いつも見かけるツエタケとはちょっと違い、気になり写真を撮った。
ごく普通のツエタケ(Xerula radicata)だろうか?

顕微鏡でヒダの一部を覗いてみると,胞子は丸っこく
最初ツエタケの胞子って丸っこいのかな?と思ったら広楕円形で、どうもX. radicataではなさそう。

長沢先生の「東アジア温帯産ビロードツエタケ属」を見てみると
エゾノビロードツエタケ Xerula hongoi
コブリビロードツエタケ Xerula sinopudens 
ミヤマツエタケ Xerula aureocystidiata
ブナノモリツエタケ Xerula orientalis
コブナノモリツエタケ Xerula orientalis var. margaritella 
オキナツエタケ Xerula amygdaliformis
フタツミオキナツエタケ Xerula amygdaliformis var. bispora 
チェンマイツエタケ Xerula chiangmaiae
フキアゲマルミノツエタケ Xerula globospora 
マルミノツエタケ Xerula japonica
ヒマラヤツエタケ Xerula raphanipes 
キタカタチャシミツエタケ Xerula vinocontusa
が載っている。
 

傘シスチジア、側シスチジアの形状はチェンマイツエタケに似ているような気がする。
(カードリーダーが壊れたのか、PCに顕微鏡画像を取り込めず)
サイズなどは計っていないのでよくわからない。

日本のきのこ(増補改訂版)にミヤマツエタケが掲載されているけれど、そのほかエゾノビロードツエタケ以外は知られていないので、○△ツエタケと同定することが出来れば・・・良いなぁ。

2012年9月24日月曜日

Entoloma sp

何気なく、足元のきのこに目が留まった。
まさかね・・・でも、もしかしたら・・・と写真を撮り、ヒダ面をみようと柄を抜くように引っ張ると、ポキッ。柄が途中から折れてしまった(失敗ーー;)。
ヒダはやっぱり、ピンクだ。
でも Clitopilusって線もあるし・・・いやいやClitopilusってこんな条線がないよね・・・。
中央が窪み灰褐色のEntolomaは以前図鑑で見たことがあって
多分、そのきのこだろうと思い、採集袋にそのきのこを入れ持ち帰った。

目星をつけていたのはEntoloma fridolfingense
最初にヒダの一部を切り取り顕微鏡で覗いてみると、Entolomaではあったけれど
E.fridolfingenseとは胞子の形態もサイズも違っている。
 これは類球形に近く、形状タイプとしてはisodiametric。
E.fridolfingenseの胞子の形状タイプはheterodiametric。
(参考 http://www.entoloma.nl/html/entinrtoeng.html

E.fridolfingense胞子サイズは7.5-12.5×5.5-8.5(-9.0)μm Q=1.2-1.7
写真の きのこの胞子サイズは(6.2-)6.7-7.8(-9.1)×(5.9-)6.2-7.2(-8.2)μm (n=100) Q=1.0-1.3(平均 1.1)

縁シスチジアの形態はよく似ている(サイズは未測定)。

縁シスチジアがよく似ていても
胞子を見た瞬間、E.fridolfingenseではなかった・・・と、ガクッと意気消沈。

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追記
日本きのこ図版No1582 にマルミノサカズキウラベニタケという種があり
その記述と合致している。
傘表面を拡大。



2012年9月23日日曜日

Amanita miculifera

時折見かけながら、ずっとわからないままでいたきのこが
ヒョンなことで「そうだったのか~」と知ることがある。
Amanita miculiferaも、そのひとつ。
時々拝見しているきのこのねどこに下のページを見つけた。
http://nedoko.sakura.ne.jp/kinoko/kinokotachi/miculifera.htm
そっか~、これがA.miculiferaだったんだ・・・と知った瞬間だった。
そして、そのままA.miculiferaには和名がないと思い込んでいた。

ホームページに和名なしと掲載したところ
S.K.さんから、日本産菌類集覧に「ハイイロテングタケ」の和名が載っていることを教えていただいた。(S.K.さんありがとうございます)
 せっかくのお宝(日本産菌類集覧・日本産きのこ目録)を持ちながら活用出来ていなかった。日本産きのこ目録でも学名検索をすれば「ハイイロテングタケ」の和名を即座に知ることが出来たはずで、今後は和名が本当にないのか日本産きのこ目録2013でチェックしなくちゃと思った。

そんなわけで、ホームページに掲載した「 A.miculifera和名なし」はハイイロテングタケに訂正した。


2012年9月19日水曜日

サカズキホウライタケ属?

下は、先日(13日)長万部町へ行った時に見つけたきのこ
スギの球果や葉柄から発生している。
その時は、サカズキホウライタケの仲間かな?と採取した。
家に帰ってきてから日本新菌類図鑑を見ると、サカズキホウライタケは照葉樹林内の枯れ木上とあり、図鑑の絵図を見ると、サカズキホウライタケとはどうも様子が違い、他に掲載されているサカズキホウライタケ属の種がない。
 基物はスギとハッキリしているので、すぐに分かると思っていた。 索引を見ていて目にとまったのが、スギノハヒメホウライタケ(Marasmius cryptomeriae Imai)という種。
スギノハヒメホウライタケってどんなきのこなんだろうと、 日本菌類誌(二巻五号)を見ても種名のみで記載が載っていない。手持ちの北海道大学紀要には掲載されておらず、どんなきのこなのか知る術がない。
 たぶん、サカズキホウライタケ属かヒダサカズキタケ属だとは思うのだけど、全く無知なので○○だからサカズキホウライタケ属、△△だからヒダサカズキタケ属とそこの勉強から始めなくちゃならない。きっと、属の特定まで持って行くぞ・・・とは思ってはいても、やはりきのこは奥が深いし、難しい代物だとつくづく思う・・・。


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追記
Kさんから 下記のURLから
「植物学雑誌  vol.55: 450.1941」が見られることを教えていただいた。
(Kさん、ありがとうございます)
 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jplantres1887/55/658/_contents/-char/ja/

学名のすぐ下の記載は、群生 傘径1-2mm 平滑(?) 凸型 白 ヒダは上生・・・らしい。
ここまで見ると、スギノハヒメホウライタケとは、全然違うようだ。
下から6・7行目の記載は・・・なんだ?
よく似た菌で、その菌とはここが違うという記載になっていることがあって、その記載かな?と思いきや、なんだかわからない(ーー;)。
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 サカズキホウライタケ属とヒダサカズキタケ属の属の定義(両属の違い)について
日本新菌類図鑑の解説では、全くわからない。
「シンガーによるハラタケ目の分類体系 」(高橋春樹訳)を今読んでいるところ・・・
私にちゃんと解るだろうか・・・。



2012年9月4日火曜日

スギタケの学名

以前(7月3日)、スギタケの学名がわからないことをブログに下記のように書き記していた。
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どれが本当の学名なのか、、、わからない。
日本のきのこ増補改訂版・・・Pholiota squarrosa (Weigel : Fr.) P. Kumm.
日本産菌類集覧・・・Pholiota squarrosa (O.F.Mull.: Fr.) P. Kumm.
日本産きのこ目録(幸徳氏作成)・・・Pholiota squarrosa (Batsch) P. Kumm.
日本新菌類図鑑・・・Pholiota squarrosa (Mull.: Fr.) P. Kumm.
IndexFungorum・・・Pholiota squarrosa (Vahl) P. Kumm.? or Pholiota squarrosa f. squarrosa (Weigel) P. Kumm.?
MycoBank・・・?
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と。
それに対し、N田先生から
日本で言うところの「スギタケ」が、果たしてPholiota squarrosaであるのか、まだ結論のついていないことを踏まえ、次のようにお教えいただいた。
(N田先生、ありがとうございます)

○日本産菌類集覧・・・Pholiota squarrosa (O.F.Mull.:Fr.) P. Kumm.
および日本新菌類図鑑・・・Pholiota squarrosa (Mull.:Fr.) P. Kumm.
 元の学名は、Agaricus squarrosus O.F.Mull., Fl. Dan. tab.491 (1783)
 とされる(伊藤・日本菌類誌2(5))が、Mull.は、Agaricus squarrosusの
 著者ではなく、 Fl. Dan. tab.491 (1783)には別の学名がついている。

○IndexFungorum・・・Pholiota squarrosa (Vahl) P. Kumm.
 元の学名Agaricus squarrosus Vahl, , Fl. Dan. tab.1191 (1797)は、
 別の菌(Stropharia)。また後続同名。

○日本産きのこ目録(幸徳氏作成)…Pholiota squarrosa (Batsch) P. Kumm.
 元の学名のAgaricus squarrosus Batsch, Elench. fung., cont. prim. 
  (Halle): tab. 31 (1786)は、後続同名

○日本のきのこ増補改訂版…Pholiota squarrosa (Weigel:Fr.) P. Kumm.
 Agaricus squarrosusの学名はWeigel, Observ. Bot.: 40 (1771)が最初。
 ところで、この種には、それ以前に、Agaricus floccosus Schaeff.,
 Fung. Bavar. Palat. 1: tab. 61 (1762)がつけられているが、
  Fries(1821)がAgaricus squarrosusの異名として扱っているので、
  命名規約により、Agaricus squarrosus Weigelが認可される。
 
結論:Pholiota squarrosa (Weigel:Fr.) P. Kumm.が正しい



Mull.は、Agaricus squarrosusの 著者ではなく
これについては、ガーンという感じ・・・。
つまり、最初に伊藤誠哉先生の間違いに気づかずに、そのまま今関・本郷先生が右倣えでその学名を使った・・・ということだよね。

一見、Agaricus squarrosus Batschは1786年で最も古いもののように思っていたけれど、でも実はWeigelさんの方が早かったということなんだ・・・と納得。

そんなわけで、ホームページに掲載していたスギタケの学名を訂正した。