2011年10月31日月曜日

L.graveolens とL.nudaの胞子

ウスムラサキシメジL.graveolensと思われるものとムラサキシメジL.nudaの胞子を見てみた。
ウスムラサキシメジと思われるもの↓
100個の胞子を計測し、サイズは5.6-10.0×3.4-5.4(平均は7.3×4.2)μm
長辺が8μm を超えるものが11個(うち9μを超えるのは2個)あった。


下はムラサキシメジの胞子画像
 写真では大きさにそれほどばらつきがないように見えるけれど、ちょっとこれは大きいんでない?というものが散見される↓。けれど、ウスムラサキシメジよりも若干小さい。
100個計測し、5.1-8.4×3.5-4.9(平均6.4×3.4)μm
長辺8μを 超えるものが1個

日本新菌類図鑑でムラサキシメジの胞子は5~7×3~4μm
スイスの菌類図鑑では6.5-8.5×3.9-4.8μm
L.graveolensの胞子サイズは5.8-8.4×3.5-4.7μm
L.graveolensとL.nudaの胞子サイズは殆ど差異がない。しかし、上の写真では見た感じ大きさのばらつきはウスムラサキシメジのほうが多く、若干大きいものが多いといったところだろうか。

2011年10月30日日曜日

ウスムラサキシメジ

S川市に行ってきた。
公園内の一部は落ち葉が綺麗にかき集められている。
ちょっと林内に入ると、地面は落ち葉が厚く降り積もり、とてもきのこが探せる状況ではなかった。
今年は、ムキタケの群生に出会っておらず、広葉樹林ならもしかしたらと思い出かけたのだ。
けれど、林内の 倒木や立ち枯れた木を見てもムキタケは見当たらなかった。少し奥へ入ればまた様相は違うかもと思ったけれど、昨夜一睡もしていない状況で、入ったことのない奥に分け入る元気が無かった。
 それでも、きのこを見つけることは出来た。掻き分けた落ち葉の下に「ムラサキシメジ?」
いや、なんだか色が薄い。いやいや、紫色は抜けやすく、これも色が抜けたものだろう・・・。

ムラサキシメジとウスムラサキシメジの違いってなんだろう。色が薄いこと、匂いに薬品臭があるとか。他に何か違いは無いのだろうか。と匂いを嗅ぐと、匂いがきつい。ツンとするような薬品臭があるといえば薬品臭のような・・・
これムラサキシメジじゃないかも。
しかしウスムラサキシメジって、比較的早い時期に発生するんじゃなかったっけ?
少し離れたところに、明らかにムラサキシメジと思われるものがあって 並べてみた。
柄の雰囲気が違うんだよね。ムラサキシメジは基部がかぶら状になるけど、このきのこはかぶら状になっていない。

やっぱムラサキシメジじゃなく、どうもウスムラサキシメジのようだ。

2011年10月28日金曜日

ウラムラサキ

 gajinさんの「おけら日記」を拝見していて、ウラムラサキって
そうだよね・・・全体が紫色だよねぇ・・・と掲載されていた写真を眺めた。
実は気になっているウラムラサキがあって
単に古くなったから、褐色になったと言い切きれないウラムラサキを見つけてしまった。

下の画像は2003年に撮ったもので、HPに載せているウラムラサキ。
ウラムラサキで間違いないと思う。
下の画像は、今年9月25日に撮ったウラムラサキ。
持ち帰ったものをブツ撮りしたものが下の画像。

ウラムラサキって老成してもヒダは紫色だよね。
ところが、採集したものはそれほど老成していなくても傘が褐色で、ヒダも褐色に変色してきている。
胞子など確認していないので、絶対Laccariaと言い切れないのだけど・・・
(でも、Laccariaだと思う)
今、同定できる種を集めている某グループに所属していて、標本をせっせと集め
送っている。疑問種なので標本を送ってはいけないかな?と思いながら
標本を送ってしまった。

はたして、ウラムラサキであろうか?

2011年10月26日水曜日

Peziza sp


こんなに群生するきのこなら、きっと名前(学名を含め)あるに違いないと思っていた。
あわよくばモリノチャワンタケなら良いのに、と思っていた。
持っている図鑑には、数種のPezizaが載っているのみで、そのいずれとも該当しない。
たぶん専門図鑑があれば、掲載されているのかもしれない。

托髄層は2層型というのだろうか?
球形細胞の間に絡み合っている細長い菌糸層がある。托外被層は球形あるいは類球形細胞から菌糸が発芽している。
側糸は先端部が膨らみ、糸状。
子嚢の長さは215~250μm。
胞子をコットンブルーで染めてみたが、どう見ても平滑。

托髄層が2層になっていることや子嚢や胞子の大きさはPeziza micropusと近い。
しかし、側糸の形状が違うように思われる。
オオチャワンタケP. vesiculosaは、側糸の形と子嚢の大きさが違う。
モリノチャワンタケP. arvernensisは、 胞子がやや疎面。
P. granulosaは、胞子および子嚢の大きさが本菌より若干大きい。
ナヤノシロチャワンタケP.domicilianaは、胞子サイズが本菌より若干小さい。
P. variaは、2層になっているが胞子サイズが若干小さく、側糸の形状が違う。
そんなこんなで、上記の種とはピタッと一致しない。今のところは、Peziza sp。

しかし、図鑑が間違っていると言うこともあるよね。
スイスの菌類図鑑で、Discina leucoxanthaの子嚢の長さは280μmと記載されているけど
実際には450μmくらいあるし・・・。


羊蹄山麓へ

昨日、昨年この季節に見つけたきのこを探しに、羊蹄山麓へ出かけた。
そのきのこの写真を撮ったとき、近くにフキサクラシメジがあり
フキサクラシメジが出る頃に発生という印象が強くあった。
フキサクラシメジは出ていたが、目的のきのこは見つけられなかった。
時間がなかなか取れず、行くのがたぶん遅かったのかもしれない。それとも一期一会だったのだろうか、そんなことを思いながら歩いた。
 そのきのこが見つからなくても、あのきのこやこのきのこが出ているはず・・・が、ない。どうしたことだろう。フキサクラシメジの発生も今ひとつ少なく、ウコンガサやシロヌメリガサ、チャナメやクリタケモドキはどうしたのだ?
何かが変と思いながらルスツの方へオオカキシメジが出ていないか見に行くことにした。

ルスツではアカエゾマツ林に入った途端、間伐材のチップにチャワンタケが群生していた。
その大きさは手のひらほどもある大きさ。何だろう?
これまでモリノチャワンタケに出会ったことがない。
もしかしたら?と持ち帰ってみることにした。
しばらく歩くと、何かわからないきのこがあちこちに菌輪を作っていた。
このきのこは不快臭がある。

なにやら、向こうに白っぽいものが出ていると近づいてみると、ハイイロシメジの群生だった。
オオカキシメジと思っていたのは、ただのカキシメジだったのかもしれない。1個しか見つけられなかった。

 チャナメツムタケはこれでもか!ってくらいあった。写真はごく一部。
 このほかに、キナメツムタケやシロナメツムタケ、ウコンガサ、シモフリヌメリガサ、クリタケモドキもあり、ルスツではいつも回っている散策コースを回れなかった。
 羊蹄山からさほど遠くないのに、山麓と出方のこの違いは何だろう?


家に帰ってきて、チャワンタケの写真と胞子の写真を撮った。
胞子は平滑。モリノチャワンタケではないようだ。 


2011年10月23日日曜日

新規に

広告の殆ど入らないブログと思い、Bloggerに行き当たった。
慣れない私にとって、多少使いにくさはあるのだけれど
シンプルなのがなかなか良いではないか。
HPはさくらのレンタルサーバーなので、さくらブログも使えると思いつつ
当面はBloggerでやってみようと思う。

以前の「きのこメモ」
http://kinokomemo.blog.shinobi.jp/